メディカルアロマなら、医療機関への就職から独立開業まで、幅広い活躍が可能に。先輩たちの働き方を参考にぴったりのコースを見つけよう!
正木クリニック 院長/正木 初美先生
病院では、診察をして必要であれば検査をし、お薬を処方しますが、検査で異常がなくても「何となくつらい」「疲れがとれない」という方や、更年期の女性であれば、不定愁訴に悩む方も多くいらっしゃいます。臨床医として日々患者さんと接する中で、西洋医学主流の医療だけではケア出来ない症状があると感じ、一人ひとりをより良い状態に導いていく為には、心身全体を診る代替医療も組み合わせた、統合医療的な観点をもった関わり方が必要なのではないかと感じてきました。日々、患者さんが抱えるつらさをもっと和らげて差し上げられないかと模索する中、出会ったのがメディカルアロマ。自身も施術を受け、予想以上に前向きな気分になれたことに驚き、メンタル面に働きかける力や精油の薬理作用に可能性を感じて、導入を決めました。アロマセラピーなら、薬とはまた違うアプローチで、患者さんの心に寄り添い、皆さんがもっと楽に、もっと前向きに、より元気に過ごせるお手伝いができるのではないかと考えています。
Haruクリニック/尾本遥先生
私が在籍していた大阪医科大学は、附属病院が西日本で初めてペインクリニック外来を開設した歴史もあり、学生時代から、西洋医学的な治療はもちろん鍼灸や漢方など東洋医学も含めた統合医療が当たり前の環境で学んでいました。アロマセラピーに出会ったのもその頃です。卒業後を見据え様々な診療科を回る中で、心療内科でアロマのハンドトリートメントを行う施設を見学する機会があり、実際に体験をして手が温まる心地良さと香りに癒されたのを覚えています。
卒業後は大学の附属病院で麻酔科医として手術を担当しながらペインクリニックの外来でも勤務していました。そこでは神経ブロック注射や投薬、鍼灸での治療が中心でしたが、患者さんの中には、通院しながら整体やマッサージなどのサロンにも通う方がいて、特にアロマのトリートメントに関しては「頭痛や腰痛が楽になる」と患者さん自身の口から聞くことも多く、学生時代の記憶と共に、自分がいつか開業する際には、ぜひ取り入れてみたいと思っていました。
開業した一番の目的は、痛みや不調を抱えながらも、大学病院は少し敷居が高いと感じていた方々に気軽に通ってもらい、元気に歳をとっていくお手伝いができたら…と思ったからです。私のクリニックでは慢性疼痛や腰痛・肩こり・頭痛・帯状疱疹などを診ていますが、注射や投薬といった西洋医学的なアプローチでパッと治る方もいれば、鍼灸やマッサージを取り入れた治療が効果的な方もいます。だからこそ、一人ひとりのお話を丁寧に聞いて、それぞれに異なる痛みの原因を探りながら色々な治療法を提案していきたい。その第一歩として、開業と同時に興味のあったアロマセラピーを導入し、メディカルアロマの知識のあるセラピストに施術を担当してもらっています。注射を何回しても痛みが取れない患者さんに、並行してアロマのトリートメントを受けて頂くと改善がみられ ることも多く、特にストレスや慢性疼痛を抱える人に合うように思います。痛みの原因に冷えがある場合は、漢方の投薬でまず冷え取りをしてから施術を受けてもらうことも。様々な療法を組み合わせることで痛みがない状態がより長く続くというお声も頂いています。
また私の病院ではコンプレックスを取り除いて人生を前向きに楽しんでほしいとの思いからアンチエイジング治療も行っていますが、美容の悩みを抱えて来られる方々にも、明るい気持ちになれるなどの心理的効果が期待できるため、アロマセラピーのメニューをお勧めしています。院内で気軽に受けられるので、患者さんの方から受けてみたいというお声も多いですね。
少し先の話にはなりますが、アロマセラピーと同じように鍼灸やヨガ・ピラティスなどの運動療法のメニューも新たに加えていけたらと考えています。長く痛みにさらされている人は心も疲れていて、改善には心理的な問題も絡むことが多いので、アロマセラピーも効果的ですが、心理士との協同にも関心をもっています。また、いつかは末期がんで苦しんでいる方々の痛みに寄り添い、自分が持てる技の全てを活かしてサポートできたらとも思っています。患者さんの為に良いと思うものは柔軟に取り入れて、あらゆる痛みに対応できるクリニックでありたい。地域の皆さんが健康でいきいきと人生を楽しみながら歳を重ねていけるよう支えていけたらと思っています。
こじまクリニック院長/小島研太先生
統合医療といいますと、西洋医学だけでなく、東洋医学や民間療法を含めた幅広い医療を組み合わせる治療のあり方ですが、勤務医時代、まず初めに興味を持ち、学び始めたのが漢方でした。その頃はまだ、今ほど一般的ではありませんでしたが、病状がなかなか改善しなかった患者さんに漢方薬を処方してみると、痛みがとれ、調子が良くなる方が出てきたんです。漢方療法では、その人の体質や症状の個人差を「証」と呼び、その証にあわせて薬を処方していきます。Aという薬が全員に効くわけではなく、またBという薬が全員に効くわけではない。薬の特性や効能を考えながら一人ひとりの体質にあうものを選んでいく。これが漢方の考え方です。これは医療の本来の姿でもあると感じたので、私がクリニックを開業した際も、様々な症例に対応できるよう、通常診療の中に漢方療法も含め、リハビリでも、温熱療法や鍼灸・マッサージなど西洋医学の枠内にとどまらない療法も取り入れてきました。
メディカルアロマもそのひとつです。交感神経の緊張を解いたり血流を改善する効能が期待できるため、専任のアロマセラピストによる手足やヘッドのマッサージを行っています。アロマを使った方が痛みが和らぐという人もいて、通常のマッサージ+αの施術としてお勧めをしているところです。在宅診療でも効果が出ており、自宅療養では、皮膚にトラブルを抱えている方が多いのですが、例えば水虫などの場合も、皮膚にアロマのマッサージオイルを塗布してから抗真菌薬を使うと、薬だけの時よりも皮膚が綺麗になっていくんです。これはアロマの抗炎症作用や保湿効果のたまものだと思いますが、患者さんはもちろん、介護されているご家族の皆さんにも大変喜んで頂いています。歯科、介護施設、老人ホームなどでも待合や室内にディフューザーやアロマポットを置いている施設も増えていますし、痛みの軽減や皮膚への効能、香りによる安神作用や鬱の抑制など多岐にわたるエビデンスが集まっていけば、将来的にはアロマも様々な形で医療現場に入ってくるのではないでしょうか。
統合医療という考え方はどんどん一般的になってきています。選択肢を増やす意味でも自由診療に対応する大学病院も増えてきていますし、今後ますます、西洋医学・東洋医学、また内科・外科など科も超えて総合的な診療ができる医者が求められると思います。看護師や理学療法士などの医療従事者やアロマセラピストにおいても、マルチな知識で患者さんをサポートできる人材が必要とされるでしょう。様々な診療の可能性を知っていると複数の発想が生まれ、多角的な視点や切り口で治療にあたることができる。病気一つ見るにしても、例えば痛みなら神経ブロック・投薬・マッサージ・リハビリ、内科疾患でも漢方、点滴療法、遺伝子検査など色々な治療や予防法が検討できます。私自身も、日々進化する医学の現場で、あらゆる可能性を否定せず、一人ひとりに合ったよりよい医療を提供できるよう学び続ける医者でありたいと思っています。
医誠会病院 医師/寺田 桜子先生
多くの人がストレスを抱えながら生きる現代社会。そんな社会を上手に生きていくためには、ストレスを自分自身でコントロールすることも大切に感じます。人とぶつかった衝撃で受けるストレスが意識から完全に消えるには2時間かかる...ところが、香りの力を借りると、人は数秒でそのストレスから開放されるという話を聞きました。私は今医師として働きながら、アロマセラピーに興味を持ち学び始めたばかりです。精油を勉強していくと、薬に似た効果があることを知りました。西洋医療の現場では、原因の分からないものについては対処ができず、原因不明の症状をうったえる患者さんがたらい回しになる例も。「どんな症状の患者さんにも寄り添える医師になりたい。アロマはそのひとつの手段になるかも」そんな期待が高まるとともに、薬の代わりとして使えるからこそ、逆に精油が併せ持つ危険な面には注意が必要だと感じています。メディカルアロマセラピストとしてアロマを勧めていく立場にある人は、しっかりと学んで確かな知識を身につける責任があると思います。
医療法人想千理事長 あわ整形外科クリニック院長 整形外科専門医/阿波 康成先生
嗅覚の認知は脳で行われているので、香りが脳に働きかけて自律神経に作用し、ゆったりとした気分を引き出すことは十分に考えられます。特に痛みに関しては心の持ちようといった点も大きいため、香りを積極的に利用していくのは患者さんにとっても良い結果を生むように思います。医師の間でも、アロマセラピーに関しては肯定的な考えを持っている人もおり、今の医療現場において、香りで心に働きかけるものとして、ここまで体系が確立されている物が他に無いため、今後、重要な役割を果たしていく可能性はあると思っています。アロマセラピーが医療行為として認められているヨーロッパ諸国と比べると、まだまだではありますが、産婦人科や介護施設、老人施設など、徐々に導入される現場も広がっています。おもに地域医療を中心に、アロマセラピーの効能を実感できる事例などが増えつつあるので、その事例が集まっていけば、将来的には、ある海外の国のように調剤薬局でアロマが処方されるという未来も面白いのではないかと思っています。
フラワーロード服部内科医院 医学博士/服部 かおる先生
統合医療は現代西洋医学を中心に据えて、様々な代替医療をその方に最も適したかたちで取り入れています。漢方やサプリメント、鍼灸、指圧、整体などもそうですし、アロマセラピーやリフレクソロジーなども代替医療として有効です。
例えば頭痛ひとつをとってみても、薬を処方するだけでなく、クライアントの生活スタイルや環境、性質などもカウンセリングし、頭痛の原因が精神的なものであればアロマセラピーをすすめたり、コリからくる頭痛なら指圧や鍼灸などを紹介する場合もあります。私たちの身体には自ら治ろうとする力、すなわち自然治癒力が備わっており、それを最大限に引き出す医療が総合医療なのです。
ゆきこどもクリニック院長/神原雪子先生
小児科・内科のクリニックとして開業し、診療を続ける中で、育児に悩むお母さん方の相談を受けることが増え、みんなで和気あいあいと過ごせる交流の場になれば...と院内に「どんぐりハウス」という子育てサロンを立ち上げました。月2回のペースで、看護師を交えての育児相談や手作り体験、アロマのハンドトリートメントなどを行っています。アロマを使うケアを取り入れたのは、リフレッシュやリラックスなど、精油がもたらす様々な効能で、診療だけではカバーしきれない「心の疲れ」も癒せるのではと考えたからです。東洋医学には漢方があるように、西洋医学では代替・補完医療としてメディカルアロマが注目されています。お薬では強すぎたり合わない場合にも、心や身体をホッとさせるアロマの力が、子育て中のお母さん、更には病院を訪れる患者さんの様々な不調や不安を緩和する一助になるのではないかと、その可能性にも期待を寄せています。
阪神野田駅前ファミリークリニック院長 総合診療医/衣畑成紀先生
私自身もそうですが、開業医の間ではアロマセラピーの導入に積極的な人が増えているように思います。長年診療に携わるなかで、西洋医学的な治療ではカバーできない不定愁訴が漢方などの代替医療で改善する場合も多々経験し、メンタルを含めた心身全体のバランスを調える治 療の大切さも実感してきました。近年、ストレスから心のバランスを崩す人も増え、西洋医学を補完する形で、疾病予防や健康維持の為に、東洋医学や補完・代替医療(漢方やアロマセラピー、ハーブ、指圧、ヨガなど)を組み合わせて行う「統合医療」への注目も高まっています。 私のクリニックでもアロマセラピーはもちろん運動療法としてのヨガなども今後取り入れていく予定です。点滴のベッドもうつぶせの施術が出来る仕様にしているため、将来的には症状や必要に応じて患者さんに全身のアロマトリートメントを行うことも視野に入れ、その後の結果などもカルテに記載しながら診療と連携させて治療に役立てていければと考えています。
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